こちらのコラムでは桐の歴史と日本における桐の役割について、ご紹介します。
中に入れる物のサイズも測れた!
桐箱の内寸もわかった!
いざ!桐箱を買おう!・・・と思われたあなた
ちょっとまってください!
桐箱を購入する前に・・・桐箱の特長や経年変化について知っておきましょう
■桐箱〜そもそも「桐」ってどんな木材?
桐(きり)は、日本の歴史と文化において特別な存在であり、その多様な利用方法や象徴的な意味合いから、日本人にとって、とても馴染み深い木材なのです。
■桐の歴史
桐の歴史は古く、日本では古代から利用されてきました。桐は成長が早く、比較的短い期間で大きく育つため、木材としての利用価値が高いとされていました。奈良時代(710-794年)には、すでに桐材が家具や楽器、箱などに使われていた記録があります。
■桐の象徴的な意味
日本の文化や家紋においても重要な役割を果たしています。
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家紋としての桐:
- 桐は日本の家紋の一つで、「五七の桐(ごしちのきり)」と呼ばれる家紋が有名です。この家紋は、徳川家康や足利氏などの武家をはじめ、天皇家とも関係が深く、格式高い象徴として使われてきました。桐の家紋は、繁栄や高貴さを象徴するものとされています。
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日本政府の象徴:
- 現代においても、桐は日本政府の象徴として用いられています。日本の首相や内閣官房の紋章にも「五七の桐」が使われており、公文書や公式の印章にもそのデザインが見られます。
■桐の利用方法
桐はその軽さと耐久性・湿度調整能力から、さまざまな用途で利用されています。
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家具や箱:
おなじみの桐箪笥は、日本の伝統的な家具で、高級な衣装や着物を保管するのに最適とされています。桐材は湿気を調整し、防虫効果もあるため、大切なものを長期間保管するのに非常に適しています。
我らが「桐箱」は、宝石や文書、茶道具などを保管するのに使われ、桐の特性が最大限に活かされています。
■桐の特性と利便性
軽さ
桐は世界で2番目 日本では最も軽い材木です。
非常に軽く取り扱いが簡単でこの特性は引越しや収納の際に便利です。
桐は日本一、世界では二番目に軽い木
防虫効果
虫がつきにくい特性があり、衣類や貴重品の保管に適しています。
特に着物や絹製品の保管には欠かせない存在です。
湿度調整
桐は湿気を吸収したり放出したりする能力が高く、湿度の変化が激しい日本の気候に適しています。これにより、桐箱や桐箪笥に保管された物品は、常に適切な状態で保管されます。
※桐の成分について
桐は黒く変色してしまうという特性があります。これは桐に含まれる「タンニン」という成分が表面に出てきたことによる状態になります。
この「タンニン」と呼ばれる成分は「防腐・防虫」の役割を果たし、黒くなる状態は桐が正常に働いてくれているという証拠なのです。
■経年変化
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色の変化
新しい桐箱は、淡い白色や薄い黄色をしています。しかし、時間が経つとともに、光や空気に触れることで、徐々に茶色がかった色に変わっていきます。この色の変化は、桐材の自然な酸化によるもので、美しいアンティークの風合いを増すとされています。
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木目の変化
桐箱の木目は、使い込むほどに明確になり、深みが出てきます。これは、木材の内部の樹脂が表面に出てくるためで、桐箱特有の美しさを引き立てます。
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表面の変化
桐材は柔らかいため、使い込むうちに表面に細かな傷がつくことがあります。しかし、これらの傷も経年変化の一部として受け入れられ、桐箱の個性と魅力を高める要素となります。
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機能性の変化
桐材の湿度調整能力は、経年変化によっても劣化することはほとんどありません。むしろ、長く使うことで、桐材が周囲の環境により適応し、さらに優れた湿度調整効果を発揮することがあります。
〈桐の種類〉
中国桐と米桐(並柾〜上柾〜特上柾)のイメージ
下の写真は、それぞれの板の写真になります。
右側の特上柾に行くほど、価格帯も高価になります。
お値段はそれぞれ変わってきますが、中国桐と米桐それぞれの良いところがありますので、皆さんのお気に入りの桐を選んでみてください。
■まとめ
自然素材でできている"桐箱”は、時間とともに様々な変化をもたらします。
当然、変色や傷がついたりすることもあります。
でも、それも永く使える桐箱の醍醐味と言えますよね。
ぜひ、アナタ好みの桐箱を選んでみてください